■酒蔵の煙突が建ち並ぶ「交通の要衝」へ

 そのリムジンバスの車窓から景色を見ていると、途中で東広島市の西条地区が遠くに見えてきます。そして、遠くからでも酒蔵の煙突が建ち並んでいるのが見えるのです。素敵ではありませんか。

 そこで、広島に行くたびに「西条に行ってみたいなぁ」と思っていたのです。

 西条地区には古代には官道の「山陽道」が通る交通の要衝でした。「官道」というのは都から地方に向かう古代国家によって造られた直線状の幅の広い道路のことです。また、西条地区には国府や国分寺が置かれていました(国府は後に今の府中市に移転しました。味の素スタジアムがある東京都の府中市と同名)。

 また、江戸時代にも大阪と九州を結ぶ重要な西国街道が走っており、1894年には山陽本線の三原・広島間が開通し、西条駅が置かれました。

(2)へ続く
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