■指揮官は「ボックスの中の勝負で負けた」

 2対2のまま推移した86分、2失点目と同じように右サイドからクロスを入れられ、今治FWウェズレイ・タンキに右ポスト際を抜かれてしまった。

 試合後の長澤監督は、「ボックスの中の勝負で負けた、と感じています。勝ちきるには取りきれないとダメだし、防ぎきらないとダメです」と総括した。決勝点を許したウェズレイ・タンキだけでなく、タンキの周囲を動くFWマルクス・ヴィニシウス、タンキとヴィニシウスにうまく絡んでくるMFヴィニシウス・デニスという「個」に、前半からストレスを受けたのは間違いない。消耗を強いられた。

 その結果として、80分以降の時間帯でクリアしきれない、相手につききれない、という状況が生まれていった。

 今節は首位の水戸ホーリーホック、2位のV・ファーレン長崎が引分け、4位の徳島ヴォルティス、5位のジュビロ磐田が敗れた。RB大宮は7位から8位に後退したものの、J1昇格プレーオフ圏の6位とは、前節終了時と同じ勝ち点1差だ。3連敗は痛恨だが、巻き返しは可能だ。

「残り8試合、もう2か月なので、下向いている暇なんてない。一人ひとりが、俺がチームを変えるというか助けるという気持ちで、また一週間準備したい」

 経験豊富な杉本はこう話す。試合後にブーイングが起きたことも踏まえて、残り8試合へ挑む思いをあらためて明かした。

「個人、個人で色々な思いはあると思いますが、オレは今年上に行きたいし、その気持ちは、オレは一番あると思っているから、そこは練習から見せていかないといけない。あとはもう、どこが大事かと言われれば、試合のなかでは細かいことを言えば色々あるんですけど、サポーターも悔しいと思うし、俺らも悔しいし、見返すというか強い覚悟、そういう気持ちが大事。あとは魂というか、そういう部分になってくると思う」

 次節はアウェイで7位の磐田と、その翌節もアウェイで4位のベガルタ仙台と激突する。RB大宮は正念場の戦いが続いていく。

  1. 1
  2. 2
  3. 3