後藤健生の「蹴球放浪記」第280回「何度も遭遇した審判員たちの思い出」の巻(1) FC町田と長友佑都に厳しいエルサルバドル人レフェリーはカタールW杯「ドイツ撃破」の恩人の画像
FC東京と京都サンガF.C.の対戦をさばいたのは、エルサルバドルから来た34歳のレフェリーだった。撮影/原悦生(Sony α1使用)

 Jリーグ8月の2試合、FC町田ゼルビア対ガンバ大阪戦とFC東京対京都サンガF.C.戦で笛を吹いたのは、エルサルバドル人レフェリーだった。そして、サッカージャーナリスト後藤健生が思い出したのは、彼が主審を務めた日本サッカー史に残るカタールW杯での勝利のこと。そして、改めて考えたのは「レフェリーの重要性」と「今後の取り組み」だった!

■Jリーグで多い「審判員」の国際交流

 イバン・バルトンという主審がJ1リーグで笛を吹いていました。エルサルバドル人で34歳の若手審判員です。

 そのバルトン主審が担当した試合を、先週2試合見る機会がありました。

 8月20日の第30節前倒し分のFC町田ゼルビアガンバ大阪戦と同24日の第27節のFC東京京都サンガF.C.戦でした。

 2021年の東京オリンピックや2022年のカタール・ワールドカップでも主審を担当した国際経験も豊かな審判だけに、きびきびした動きや分かりやすいジェスチャーなど、「さすがだ」と思いました。

 たとえば、「激しいフィジカル的な接触があったけれども反則を取らない」といった場面では、必ず「ちゃんと見ていたが、ファウルではなかった」ということをジェスチャーを使って発信していたのです。スタンドから見ていてもレフェリーの意図が分かりますし、選手たちにも分かりやすかったのではないでしょうか?

 Jリーグでは審判員の国際交流も多く、外国人審判がさばいている試合を見る機会は何度もあります。

 しかし、エルサルバドル人審判というのは珍しく、日本人はもちろんヨーロッパ人審判とも違う雰囲気を漂わせていました。

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