■完成度が「高くなかった」ビルドアップ

 一方で、ハイプレスを志向するチームが、ポゼッション・スタイルのチームに対するときに、ゴールキックからつなごうとするところでプレスをかければ、いかに効果的にチャンスを生み出せるかを示したのが京都だった。

 もちろん、FC東京はポゼッション志向とはいえ、スタイルを確立しているチームではない。京都戦のメンバーを見れば、GKの金承奎とCBのアレクサンダー・ショルツは夏の移籍で加わったばかりの選手。もう1人のCBの岡哲平は明治大学出身のJリーグ2年目の選手(FC東京の下部組織出身)だった。

 従って、最終ラインからのビルドアップの完成度はそれほど高くはなかった。だからこそ、京都のプレスにハマってしまったのだ。

 しかし、いずれにしてもプレッシング型のチームとポゼッション型のチーム(および、その中間型)が混在するのがJ1リーグである。そうした各チームの異なったスタイル同士の攻防も大きな見どころの一つと言うことができよう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4