■試合前に「愛のある声」盛大なブーイングも…

 トップ下の塩越はライン間でボールを受けようと動くが、浦和がベレーザのボランチにしっかり対応し、ボールがそこに出てこない。

 苦しむベレーザはハーフタイムの選手交代で、3バックから4バックへ変化。すると、後半は両サイドから攻撃の形を出せるようになった。しかし、最後のペナルティエリア内での精度を欠き、チャンスは作るものの同点にすることができない。それでも、途中出場の青木夕菜や松永未夢が積極的なプレーを続け、終盤は塩越も前を向いてプレーすることができるようになった。

 しかし、最後まで高橋はなと後藤若葉を中心にまとまり続けた浦和の堅守を破ることができず。池田咲紀子のビッグセーブもあり、注目の一戦は浦和がウノゼロで勝利を手にした。

 試合後、楠瀬監督と塩越、猶本の3人は浦和サポーターのもとへ行って挨拶。試合では対戦相手として「愛のある声」(試合後、塩越)でもある盛大なブーイングを受けたが、試合後は温かい拍手で迎えられ、塩越は涙を隠すように顔に手を当て、猶本は満面のスマイルで客席を見上げた。

「(レッズの人たちは)みんな温かい」と涙を浮かべた塩越。通常の強豪対決とは異なる注目のされ方になったことについては、「WEリーグが盛り上がるなら嬉しい。こうやって盛り上がる試合がもっと増えていけばいいと思う」とリーグとしての、さらなる盛り上がりに期待した。

 チームはこれで1勝2敗。まだ3試合を終えただけだが、優勝争いを繰り広げることになるであろうINACと浦和にすでに敗れてしまった。一生忘れることがないであろう区切りの試合を終えた背番号19は、「自分がもう一回り大きな存在にならないと」とベレーザの主力としての言葉を口にした。

■試合結果

日テレ・東京ヴェルディベレーザ 0-1 三菱重工浦和レッズレディース

■得点

4分 丹野凜々香(浦和)

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