■26試合「失点14」ケタ違いの守備力
対戦相手の徳島(皮肉にも大活躍のGKホセ・スアレスの古巣)は、相手のサイドからの崩しを十分に警戒しており、「中盤で相手にボールを持たれてもよし」と割り切って守り、そのうえでカウンターを使って反撃。相手の良さを消しながら前半をノースコアで乗り切り、後半の攻撃にかけていた。
なにしろ、徳島は千葉戦の失点を含めて26試合で失点が14という堅守を誇るチームなのだ(J2リーグで2番目に失点が少ないのが大宮の「22」というのだから、徳島の守備力はまさにケタ違いだ)。
千葉と徳島の試合は、後半に入って徳島の攻撃機会も増えて互角の展開が続いていたが、65分に千葉が均衡を破った。
右サイドから持ち上がった高橋壱晟がカルリーニョス・ジュニオに縦パスをつないで展開。パスの勢いを殺さないようにうまくボールを受けたカルリーニョ・ジュニオが、相手選手をかわしてGKとDFの間を狙った精度の高いパスを入れ、このボールにGKが触れてゴール前にこぼれる。ゴール前にはCFの森海渡が待ち構えていたが、徳島のDF山越康平が必死にスライディング。しかし、山越に当たったボールはそのままゴールイン。オウンゴールとなって千葉が先制する。
徳島が64分に杉本太郎やトニー・アンデルソンを投入して攻撃に出ようとした矢先の出来事だった。
リードを許した徳島はさらにローレンス・デイビッド、高田颯也を入れて反撃を試みるが、千葉もうまく守備的に対応して守り切る。93分のCKの場面では徳島のGK田中颯も上がって、見事なヘディングシュートを放ったが、クロスバーよりわずかに上で万事窮した。