■安定感を優先「指揮官の決断」の結果

 試合終了後、千葉のベンチ前では控え選手とスタッフが輪になって喜びを表現。まるで優勝か昇格が決まったような風景だったが、ホームのフクアリでは4月25日の第11節ブラウブリッツ秋田戦以降勝利がなかっただけに、注目を集める上位対決での勝利の喜びはそれほど大きかったのだろう。

 いずれにしても、ボールを巡る激しいバトルが繰り広げられた熱戦だった。それでいて、不必要なラフプレーもなく、リードしていた千葉が時間稼ぎをすることもなく、またアウトオブプレーになっても互いにすぐにリスタート。J2リーグだから当然VARによる中断もなく(もっとも、VARが欲しいような判定も複数回あったが)、アディショナルタイムは飲水タイムを含めて前半が2分、後半が5分。アクチュアル・プレーイングタイムの長い好試合だった。

 第26節終了時点でJ2リーグは首位の水戸ホーリーホックと2位の千葉が勝点3の差。千葉と3位のV・ファーレン長崎がさらに勝点3の差。さらに、長崎から9位のFC今治まで7チームが勝点5差の間にひしめき合う大混戦となった。そんな中で、爆発力よりも安定感を優先させた千葉・小林監督の決断がどのような結果につながっていくのか……。J2リーグの熱い戦いからも目が離せない。

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