■チームを「大きく」変えた指揮官
1993年のJリーグ発足時の「オリジナル10」の一角だったジェフユナイテッド千葉(当時は市原)。前身は古河電工だ。
古河は、それまで大学チームが主役だった日本サッカー界の中で、1950年代から強化を始めた実業団の老舗。1965年に日本で初めての全国リーグ、日本サッカーリーグ(JSL)が発足したときにも、もちろん創設メンバーに加わった。そして、JSL時代を通して2部降格が一度もなく、さらにJリーグで下部リーグへの降格を経験していないクラブとして知られていたが、2009年のJ1リーグで最下位となって、ついに降格。その後、何度かJ1昇格プレーオフには進出するも、昇格できないまま、すっかりJ2リーグに定着し、地味な存在になってしまっていた。
そんな中で、2023年に監督に就任した小林慶行が、チームの雰囲気を大きく変えた。
前へ前へと攻める姿勢を前面に押し出したアグレッシブなチームの出現に、それまでは大人しい印象だったジェフ・サポーターの雰囲気もすっかり変わった。
しかし、2023年には昇格プレーオフに進出するも東京ヴェルディに敗れ、2024年には最終節までプレーオフ圏内の6位にいたのに、最終節で山形に敗れて7位に転落。昇格の厳しさを改めて印象づけられた。