【2025年J2「第23節」水戸ホーリーホックVSカターレ富山「徹底分析」】連動したハイプレス、「前」への意識…J1昇格へ頭一つ抜けた水戸の「本物の強さ」 2週間ブレイクの間に各クラブの移籍が活発化【戸塚啓のJ2のミカタ】の画像
2位と勝点差7、J1昇格に向けて首位をひた走る水戸ホーリーホック  撮影/中地拓也

■水戸が15戦負けなしで首位堅持!

【J2リーグ第23節 7月12日 18時03分キックオフ 水戸 1ー0 富山 ケーズデンキスタジアム水戸】

 彼らの強さは本物である。

 J2リーグ第23節が7月12日に一斉開催され、首位の水戸ホーリーホックは16位のカターレ富山をホームに迎えた。

 富山は16節終了後に小田切道治監督との契約を解除し、安達亮監督のもとでリスタートを切った。新監督就任から4試合は勝利がなかったが、6月28日の第21節でジェフユナイテッド千葉を1対0で退けた。さらに7月5日の第22節では、ベガルタ仙台をウノゼロで下している。

 上位チームを連破してきた富山を、水戸はきっちりと仕留めた。3対0の勝利を飾ったのだ。

 水戸は6月の特別登録期間に、サイドアタッカーの津久井匠海がRB大宮アルディージャへ完全移籍した。それまで全試合に先発していた主力をJ1昇格のライバルに引き抜かれたわけだが、すぐにモンテディオ山形からMF加藤千尋を獲得した。FC東京からセントラルMF塚川孝輝も迎え入れた。ふたりの新戦力は追加登録直後から出場機会をつかみ、プレータイムを増やしていった。

 水戸のように好調なチームは、攻守においてやるべきことがはっきりしている。選手は思い切ってプレーしているので、新加入選手も戸惑うことがない。素早くフィットしていくのだ。

 果たして、4月12日の9節から続く不敗記録は、今節の勝利で15試合まで伸びている。2位以下のチームがここにきてペースを落としているなかで、水戸は確実に勝点を積み上げているのだ。

 リーグ戦の優勝争いや上位カテゴリーへの自動昇格は、試合数の2倍の勝点を稼ぐことが目安と言われる。23節を終えて勝点48の水戸は、J1昇格のノルマを達成している唯一のチームとなっている。

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