■事故がなかったのは「単なる幸運」
発電所があるから、高い煙突が並んでいるから、私の家は安全だと信じ切っていた。カミナリを怖いと思ったことはないのである。
だからこれまで、自分のチームの活動では、「雨雲レーダー」などを見て雷雲の動きをチェックし、「相当離れているから大丈夫」などと練習を継続したこともあった。正直なところ、次の試合に備えて考えてきた練習をなんとか実施したいという「コーチのエゴ」もあったかもしれない。
しかし、落雷のことを調べれば調べるほど、怖くなってきた。これまで事故がなかったのは、単なる幸運だったのだ。奈良の事故を契機に私は方針を変えた。アメリカ政府の「指針」も思い起こし、日本サッカー^協会の指針どおりに、雷鳴が聞こえたら選手たちを安全なところに避難させよう。
サッカーは、絶対に生命の危険を冒してするようなものではないのである。