■磐田が1対0で押し切り、千葉は2位に後退

 磐田の1点リードで迎えた後半は、ホームの千葉が敵陣へ侵入する回数を増やした。磐田も4-2-1-3の「1」と「3」の選手を入れ替えて、前線からのプレスを維持しながら攻撃の迫力も担保する。

 86分の4枚目の交代では、クルークスを下げてDF川口尚紀が右SBに入る。右SBだった為田大貴が右ウイングへポジションを上げたが、為田はそもそもアタッカーの選手だ。ポジション変更はスムーズで、磐田は1対0での逃げ切りに成功したのだった。

 リーグ全体へ目を移せば、水戸が12戦負けなしの8連勝で勝点41とし、ついに首位へ浮上した。磐田に敗れた千葉は勝点38のままで2位に後退し、3位は4試合連続ドローで勝点37のRB大宮アルディージャだ。4位は勝点37のベガルタ仙台、5位は勝点36の徳島ヴォルティス、6位は勝点35の磐田である。千葉と大宮の勝点獲得のペースが落ちたことで、上位陣の勝点が詰まっている状況だ。

 前半戦終了となった前節終了後に、2チームが監督交代に踏み切った。シーズン開幕前はJ1昇格候補にあげられていたV・ファーレン長崎モンテディオ山形である。

 長崎は下平隆宏監督との契約を解除し、高木琢也代表取締役兼CROが新監督となった。監督交代は愛媛FC、カターレ富山に次いで3チーム目だ。高木新監督は、J3のSC相模原を指揮した22年以来の現場復帰となる。

 新生・長崎はロアッソ熊本とのアウェイゲームで、3対1の勝利を収めた。リーグ戦3試合ぶりの勝利で、勝点31の7位に浮上している。

 山形は渡邉晋監督との契約を解除し、佐藤尽コーチが暫定的に指揮を取ることを選択した。佐藤コーチは21年にも暫定監督の経験がある。こちらもブラウブリッツ秋田との「東北ダービー」に3対2で競り勝ち、6試合ぶりの勝利をつかんだ。

 長崎と山形は、次節に激突する。監督交代を浮上のきっかけとするのは、どちらのチームか。

 首位・水戸と5位・徳島の上位対決も注目だ。

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