【2025年J2「第20節」ジェフユナイテッド千葉VSジュビロ磐田「徹底分析」】磐田の攻撃を支える左利きのブラジル人CB 2監督が契約解除のJ2は再び団子状態へ【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
精度の高いパスを繰り出すCBリカルド・グラッサ(中央)  撮影/原壮史
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■磐田の両ウイングを生かすR・グラッサのパス

【J2リーグ第20節 6月21日 19時03分キックオフ 千葉 0ー1 磐田 フクダ電子アリーナ】

 J2後半戦のスタートで、J1昇格争いのライバルが激突した。首位のジェフユナイテッド千葉が、6位のジュビロ磐田と対戦したのだ。両チームの勝点差は「6」である。6ポイントマッチだ。

 前半はアウェイの磐田が主導権を握った。右ウイングのジョルディ・クルークス、左ウイングの倍井謙が「個」の力を発揮し、24分に倍井が獲得したPKをクルークスが決めてリードを奪った。

 磐田はその後も主導権を握る。その一因となったのが、左CBリカルド・グラッサだ。

 このブラジル人のレフティーは、長短のパスを幅広く供給することができる。先制点のきっかけとなったのは彼の縦パスで、43分には右サイドのクルークスへ対角のパスをズバリと通した。パススピードが速いために相対するDFはクルークスの足元へ飛び込めず、クルークスはカットインから左足でフィニッシュへ持ち込んだ。

 前半アディショナルタイムの48分には、GK川島永嗣から自陣ペナルティエリア内でパスを受け、すぐに前線でロングパスを送り込む。背走する相手右SBがヘディングするが、クリアしきれなかったボールを倍井が収め、決定的な左足シュートを放った。

 磐田は平均ボール支配率がリーグ上位だ。自分たちでボールを保持し、動かしながら前進していくチームで、リカルド・グラッサのパスは相手のハイプレスを裏返す有効な手段となっている。

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