■「プレーできなくなった」本来の日本代表
それから、25年以上が経過して、日本代表はアジア最強の地位を確立し、ワールドカップには8大会連続出場を果たす。そして、今では日本代表の大多数の選手がヨーロッパでプレーする時代となったのだ。
従って、海外組を招集できないE-1選手権では、本来の日本代表がプレーすることができなくなった。
大会が、もし2019年の韓国大会のように、ワールドカップ開催の3年前に開かれるとすれば、E-1選手権で抜てきされた若手選手がその後、成長して次のワールドカップでメンバー入りすることも十分に考えられる。
たとえば、2019年の韓国大会ではFWの上田綺世やMFの田中碧、GKの大迫敬介といった、現在日本代表の一員として活躍している選手が招集されている。
しかし、2022年7月に日本で開かれた第9回E-1選手権では、4か月後のカタール・ワールドカップでメンバー入りしたのは、すでに代表入りを果たしていたものの、JリーグでプレーしていたDF谷口彰悟やMF相馬勇紀、そしてワールドカップでサプライズ招集された町野修斗くらいのものだった。
その2022年大会には、カタール大会終了後に日本代表の中核を担うようになったGKの谷晃生や鈴木彩艶、そして、まだこれからの選手である藤田譲瑠チマ、細谷真大などがメンバー入りしていた。