■Jリーグを成功に導いた「キング・カズ」

 Jリーグでも、その初期にまさに「キャラが立った」人たちがいたことが成功の原因の一つでした。

 その先頭にいたのが三浦知良(カズ)さんでしょう。今でも、あの真っ赤なタキシード姿は有名ですし、カズ・ダンスもそう。またぎフェイントというのも、まだサッカーのことをよく知らなかった日本人にアピールするプレーでした。いや、当時の日本では「ゴール」という結果だけが求められていると知ったカズは、ブラジル時代はウィンガーとして活躍していたのに、Jリーグではゴールゲッターとしての役割を果たすようになったのです。

 そして、当時のマスコミの記者が発する幼稚な質問に対しても、イヤな顔をせずに、求められたコメントをして見出しを取っていたのです。

 ラモス瑠偉も然り、ゴン中山も然り……当時は、キャラの立ったJリーガーがたくさんいました。

 最近は、うまくてクレバーな選手が増えており、ヨーロッパのトップリーグで2ケタ得点をする選手が何人もいますが、素直でさわやかで真面目な選手たちが多く、「キャラ立ち」という意味では、長嶋さんはもちろん、カズをはじめとする初期のJリーガーにも及ばないような気がします。

 もちろん、今はそうしたものが必要とされる時代ではないのかもしれませんが、サッカー・ファンではない普通の人にアピールするためには、それぞれの選手の持つ明確なキャラが必要な気もします。

 時には、スタンドを沸かせるためのプレーをしてもいいでしょう。

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