■躍進を「運に恵まれただけ」

 確固たる自分自身の意見を持ち、世間がどう評価しようと、勝とうと負けようと、あるいはワールドカップで優勝しようと、「これは人々を喜ばせるサッカーではない」と判断したときには断固として批判した。

 イングランド代表は1990年ワールドカップ・イタリア大会で4位となり、多くのメディアに称賛されたが、グランヴィルは監督ボビー・ロブソンを「過大評価されている」と批判した。ワールドカップでの躍進についても、「ロブソンの采配というより、運に恵まれただけだった」と、自説を曲げなかった。

 その一方で、この大会のイングランド代表の攻撃を牽引したMFポール・ガスコイン(素晴らしい才能を持っていたが、問題児でもあった)の創造性あふれるプレーを称賛した。だが同時に、「彼の集中力は不自由なノミなみだ」と、彼らしい辛辣(しんらつ)な表現で批判することも忘れなかった。

  1. 1
  2. 2
  3. 3