■舩橋佑「「周りを引っ張っていく力」

 鹿島というチームは本拠地が比較的涼しいため、アウェーに行くと苦労する傾向が強い。今季も7~8月はアウェー戦が多く、幅広い選手層で戦えないと乗り切れない。鬼木達監督体制になってからは進境著しい舩橋佑を筆頭に、津久井佳祐、佐藤海宏、溝口修平といった若手が出番を得て、着実に成長しつつある。そのサイクルを加速させることが肝要なのだ。
「周りを引っ張っていく力がもっと必要だし、もうちょっと守備力だったり、圧倒的な攻撃力ってのは出さないといけない。自分にできること、できないことはだんだん分かってきていますし、個人の成長がチームの成長にンつながると思うので、そこはしっかりやっていけたらいいと思います」とマリノス戦で失点に絡んだ舩橋は反省。進化への新たな決意を固めた様子だ。
 ご存じの通り、彼は柳沢敦コーチ、小笠原満男・アカデミー・テクニカル・アドバイザーの秘蔵っ子。小笠原氏からは技術や戦術眼、相手との駆け引きを直々に叩き込まれており、鹿島の看板ボランチにならなければいけない。それは本人も自覚しているところ。常勝軍団復活のためには、黄金期のDNAを引き継ぐ確固たる人材が必要不可欠だ。
 ここまでの7連勝の間、彼は柴崎岳知念慶よりも重用され、ボランチ1番手と位置づけられつつあるが、もっともっと突き抜けていくべき。昨季ボランチにコンバートされた知念がいきなりJリーグベストイレブン入りしたように、高い領域に到達してくれれば理想的だ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4