■求められる荒木・松村・田川の奮起

 そういった若手に加え、中堅世代の荒木遼太郎松村優太、田川享介らにもう一段階、ステップアップしてほしいところ。荒木は7連勝が始まった4月20日のファジアーノ岡山戦からスタメンを確保しているが、まだノーゴールにとどまっている。昨季東京ヴェルディへのレンタルを経験した松村も今はジョーカー起用がメインだが、もう少しゴールに直結する仕事を増やしたい。
 田川もようやく得点という結果がついてくるようになったが、彼のポテンシャルを考えれば2点というのは物足りない。彼が絶対的主力である鈴木優磨やレオ・セアラ同等の存在感を示してくれれば、再び連勝街道を歩むことも難しくないはずだ。
 今は濃野公人、関川郁万といったDF陣のケガ人が相次ぎ、守備陣のやりくりはかなり厳しくなっている。そこは6月以降の補強が期待されるが、DF陣の底上げは今後の重要なテーマの1つと見ていい。植田直通安西幸輝の奮闘ぶりには頭が下がるものの、彼らがいればOKというわけではない。キム・テヒョンも粗削りなところがある分、改善が求められるし、それ以外にも使える戦力を確実に作っていくことが肝要だ。
 前線から最終ラインまでスキのないチームを作れれば、自ずとタイトルには手が届くはず。鬼木監督のマネージメント力には定評があるだけに、マリノス戦の大敗を受けて、どんな変化を加えてくるかは見ものだ。いずれにしても、彼らにとって真価が問われるのはここから。悔しい敗戦を再浮上の契機にするしかない。
(取材・文/元川悦子)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4