
2025年J1も3分の1を消化し、J1昇格組がジリジリと下降線を辿りつつある。目下、何とか踏みとどまっているのは、3年ぶりのJ1参戦を果たしたオリジナル10・清水エスパルスだが、5月3日の名古屋グランパス戦、6日の柏レイソル戦で連敗。勝ち点21で6位タイという順位はまずまずと言えるが、このところ苦戦しているのは確かだ。
4月の清水は好調だった。4月12日の川崎フロンターレとの1-1のドローを皮切りに、16日の横浜F・マリノス戦、20日のアビスパ福岡戦、29日のFC東京戦で3連勝。この時点では5位まで順位を上げていた。
しかも、この3連勝は全て複数得点勝利を収めている。36歳のベテラン・乾貴士を筆頭に、キャプテン・北川航也、快足アタッカー・松崎快という秋葉忠宏監督が「ファーストセット」と位置づける攻撃陣が揃ってゴールを挙げるなど、サッカー王国のクラブらしい勢いと躍動感が見て取れた。
加えて言うと、FC東京戦前には蓮川壮大が離脱。すでにケガで戦列を離れていた住吉ジェラニレショーンとともにDFの主軸が使えない状況に陥ったのだ。そこで、指揮官は宇野禅斗を最終ラインに下げ、弓場将輝をボランチに抜擢するという斬新な采配を披露。それが的中したのも大きかった。