■当時の競技規則では「違反」?
「日本のアマチュア・スポーツで最初の全国リーグ」として1965年に「日本サッカーリーグ(JSL)」がスタート。その最初のシーズン中に公式マークが決まったが、私の記憶ではある時期からJSLの試合ではコーナーフラッグにこの「JSLマーク」を入れていたような気がする。だが、これは当時の競技規則では「違反」だった。
ピッチ内だけでなく、ゴールやゴールネット、そしてコーナーフラッグといった「競技施設」には、広告はもちろん、主催団体のロゴなどもつけてはならなかったのである。あいまいだったルールは、1995年のルール改正の「公式決定事項」で明確に示された。「FIFA、大陸連盟、各国協会、その他の団体のロゴやエンブレム」も「フィールドやフィールドの設備に表示してはならない」。
コーナーフラッグへの大会などのロゴ表示が解禁されるのは、実に2017年のことである。そして現在のように、Jリーグでは全試合でJリーグのロゴがついたコーナーフラッグが使われ、イングランドではそれぞれのホームクラブのエンブレムのついたものとなっているのである。現行の競技規則では、どちらも認められている。Jリーグの60クラブが連名で「クラブのエンブレムがついたフラッグを使いたい」と求めたら、Jリーグも拒めないのではないか。