■甲斐の国の「誇り」の象徴に!
しかしフラッグの形自体は、今もまったく規定はない。フラッグの形は自由なのである。「Jリーグ指定のもの」と決められているので、毎年Jリーグが配布したものを使っているのだろうが、それを「三角形にしたい」と願い出たクラブはこれまでにひとつもないのではないか。
今後、ヴァンフォーレ甲府がJ1に4度目の昇格を果たして定着し、上位に進出して優勝をさらっていく可能性は十分ある。だがこのクラブが常にJ1の優勝争いに加わり、アジアの舞台でも常連になるという可能性は、現時点では、残念ながら想像しにくい。
2022年の天皇杯優勝と、2023/24シーズンでのACLでの大躍進は、約18万人の甲府市民だけでなく約80万の山梨県民、そしてこの地域にルーツを持ち、「甲斐の国」に誇りを持っているすべての人にとって、長く「心の宝」になるものではないか。「ライバルチームに見せつける」などというせこい考え方ではなく、地域の人々の誇りのひとつをシンボライズするものとして、「三角形のコーナーフラッグ」は悪くないのではないと、私などは思ってしまうのである。