■「ピルスナー」が生まれた街
ドイツでは(あるいは中部ヨーロッパ=中欧では)ミュンヘン以外にもビールで有名な都市がたくさんあって、どこにも特徴のあるビールが存在します。
最近では、日本でも「クラフト・ビール」が流行っていて、さまざまなタイプのビールを飲むことができますが、日本の大手ビールメーカーのビールは、いわゆる「ピルスナー・スタイル」です。そして、1970年代には、大手メーカー以外のビールを飲む機会はまったくありませんでした。
だから、日本人は「あれがビールなのだ」と思っていたのです。
ピルスナーは、ラガー酵母によって下面発酵されるビールで、淡い黄金色でのど越しとホップの苦みが特徴。キンキンに冷やして一気にゴクゴク飲み干すと、自然に「プッハーッ」と声が出るタイプのビールです。
チェコの「ピルゼン」という都市で生まれたので「ピルスナー」と呼ばれていますが、「ピルゼン」というのはドイツ語名(中欧の都市はかつてはオーストリア=ハンガリー帝国領だったので、どこでもドイツ語名を持つ)。チェコ語では、「プルゼニ」と呼ばれています。