■3連戦を現地観戦「見違えた」姿
2024年シーズンはJ1リーグで13位という順位に沈んだ浦和。
同年8月には、2023年に監督として浦和をJ1で4位に導き、ACLのタイトルをもたらしたマチェイ・スコルジャ監督を復帰させていた。
しかし、スコルジャ監督が「家庭の事情」でチームを離れていたわずか半年強の間に、浦和は主力選手の流出を含めて、彼が築き上げていたものの多くを失っており、チームの立て直しはなかなかできないままだった。
だが、ようやくここに来てチームにまとまりができ、方向性も明確になってきた。その結果が、4月後半の「3連勝」につながったのだ。
僕は、スケジュール上の都合で、町田戦からの3連戦をすべて現地観戦することになった。当初は、それまであまりパフォーマンスの良くなかった浦和の試合を3戦連続で観戦することに意欲が沸かなかったのだが、実際には見違えるように改善された姿を目撃することができた。
何が良くなったのか……。
一言で言えば、選手がよく動き、そして、その選手たちをつなぐようにボールも動くサッカーに変わったことだ。
京都戦の後半の立ち上がり(48分)に、こんな場面があった。
中盤でサミュエル・グスタフソンが右サイドにいた松尾佑介にグラウンダーのパスを付けた。そして、ボールは松尾から金子拓郎につながる。
すると、パスを出したグスタフソンは、そのまま一気に相手のペナルティーエリア内の深い位置に走り込んだ。いわゆる「ポケット」を取ったのだ。そして、金子からのパスを受けたグスタフソンがシュートを放ったが、角度がなく、ゴールの枠を捉えることはできなかった。