
サッカーの華といえば、やはりゴールだろう。戦術面などで進化を続けるサッカーだが、その過程で突然、「ゴール不足」に悩まされることがある。現在、Jリーグが直面している、サッカーの保守化、右傾化に、サッカージャーナリスト大住良之が警鐘を鳴らす!
■新・監督も続投・監督も「低調」
さて、Jリーグの急激な変化、過去10年間の1試合平均2.67得点から今季これまでの2.17得点への変化は、どんな理由によるものだろうか。
ひとつの仮説は、監督交代の影響である。今季はJ1の20クラブ中8クラブが新監督でシーズンを迎えた。新監督は自分のサッカーを植えつけようとするが、時にそれには時間がかかる。リーグ序盤、全体の4分の1強の時点では、新監督を迎えたチームの「貧攻」は仕方がないものか。
しかし、調べてみると、新監督8クラブでは、1試合平均得点1.21、シュート数8.96であるのに対し、「続投」監督の12クラブでは1.05、8.36という数字が出た。すなわち、新監督も「続投」監督も、低調な攻撃しか見せられていないのである。
ちなみに、現時点での最多得点は川崎フロンターレ(長谷部茂利新監督)の19得点(11試合)で1試合平均1.73、最少得点は、横浜FC(四方田修平監督)の6点で1試合平均0.6点。シュート数最多は、セレッソ大阪(アーサー・パパス新監督)、107本で1試合平均10.7本、最少は横浜FC、63本で1試合平均6.3本である。