■札幌のJ1自動昇格にはすでに黄色信号が

 岩政監督は後半開始から2枚替えし、マイボール時は3―4-2へ立ち位置を変えた。59分にも2枚替えで攻撃のギアを上げていこうとしたが、その直後の62分に致命的とも言える3点目を喫した。

 後半は公式記録上のシュートは「0」に終わった。トータルでも3本にとどまっている。1対3の敗戦は避けがたかった。

 これで札幌は3勝6敗となった。順位は17位である。

 J1昇格プレーオフ圏の6位とは、勝点5差である。リーグ全体が混戦模様ということもあり、昇格の可能性はまだ十分に残されている。

 自動昇格の可能性は、どうだろうか。すでに厳しくなっている、と言わざるを得ない。

 20年以降の自動昇格チーム(上位チーム)の成績を振り返ると、24年優勝の清水エスパルスは8敗、同2位の横浜FCは6敗である。J1昇格プレーオフを制した5位のファジアーノ岡山は7敗だ。

 23年のJ2を制したFC町田ゼルビアは7敗、2位のジュビロ磐田は9敗で、3位でJ1昇格プレーオフを勝ち抜いた3位の東京ヴェルディも9敗だった。

 22年、21年、20年の上位2チームの成績を見ても、全チームが8敗以内に収めている。

 データはあくまでも参考に過ぎず、いつかは破られるものでもある。そうだとしても、2位以内を目ざすのであれば、残り29試合で3敗しかできないことになる。数字的には非常に厳しくなっている、と言っていい。

 順位表のトップハーフを見ると、開幕から好調のジェフユナイテッド千葉が、8勝1敗の勝点24で首位に立つ。2位のRB大宮アルディージャは、アウェイ初勝利をあげて6勝1分2敗の勝点19だ。札幌が得失点差でマイナス8なのに対して、千葉はプラス13、大宮はプラス7だ。

 札幌は早くも正念場を迎えている。

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