【2025年J2「第9節」水戸ホーリーホックVS北海道コンサドーレ札幌「徹底分析」】札幌、数的優位でも失点の危機管理不足…J1自動昇格がすでに厳しいと感じられるデータ【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
北海道コンサドーレ札幌の岩政大樹監督はここからどうチームを立て直すのか  撮影/中地拓也
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■危機管理の甘さが招いた2失点目

【J2リーグ第9節 4月12日 14時03分キックオフ 水戸 3ー1 札幌 ケーズデンキスタジアム水戸】

 戦国J2が、節ごとにその様相を強めている。

 J2リーグは4月12、13日に第9節が行なわれ、12日、北海道コンサドーレ札幌水戸ホーリーホックとアウェイで対戦した。

 ここまで3勝5敗で16位の札幌は、前半開始早々に失点し、その後追いついたものの直後に退場者を出してしまう。10人で追いかける展開で、1対1のまま前半アディショナルタイムまで持ちこたえるが……。

 45+3分だった。ペナルティエリア内への浮き球のパスに、水戸のFW渡邉新太が反応する。札幌はCB中村桐耶が対応するが、向かい風の影響を受けたボールをクリアしきれない。カバーしたパク・ミンギュもシュートをブロックできず、札幌ゴール左スミへ流し込まれてしまった。

 渡邉は大分トリニータから加入の29歳で、アルビレックス新潟と大分トリニータで7シーズンプレーしてきた。J1昇格候補と言われるクラブでもプレーできる実力の持ち主で、打開力を持つ選手だ。

 しかしながら、ふたりのDFが対応しているのだ。渡邉のクオリティにやられた、と片づけていい場面ではあるまい。浮き球のパスをあっさりと蹴らせてしまった中盤のディフェンスも含めて、危機管理が甘かったと言わざるを得ないだろう。時間帯を考えても、ダメージの大きな失点である。これが、勝敗に直結した3つ目のポイントである。

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