■新たなダービーは岡山の「思うツボ」?

 首位の町田が引き分けるとなると、首位浮上に一番近いのは、現在勝点で並んでいるサンフレッチェ広島だろう。だが、こちらも足踏みする可能性がある。

 今回はホームにファジアーノ岡山を迎える。新たに「中国ダービー」と名づけられた一戦だ。

 順位やチーム力の差を超えた結果が生まれ得るのがダービーで、J1初挑戦の岡山が優勝経験もある広島を苦しめてもおかしくない。そもそも両チームの間には勝点3差しか開いておらず、「何か」が起きても、なんら不思議ではない。

 今シーズンの岡山はホームでの強さが光るが、他にも気になる点がある。ここまでのリーグ戦9試合で、シュート数で相手を上回ったのは2試合だけ。少ないシュート数でロースコアの戦いに持ち込み、勝点を積み上げてきている。

 力関係からすれば広島がシュート本数で上回りそうだが、それこそ岡山の思うツボかもしれない。ただし、岡山と同じく無敗記録を続ける広島のホームゲームで勝利を得るのは、どんなチームにとっても難しいはず。広島が消化試合数は1つ少ないながらも9得点5失点、岡山が8得点5失点と数字の似ている同士の対戦は、ドロー決着を予想する。

 1位と2位が引き分けに終われば、7位の京都サンガF.C.までに首位浮上の可能性が生まれる。後編では、緊迫の上位戦線を予想する。

(2)へ続く
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