
今回のtotoはJ1第9節の10試合と、J2第8節の3試合が対象となっている。過去のデータや直近の様子などから、分析を進めてみよう。
■敗れた前節での「気になること」
J1は第8節までを終えたが、混戦が続いている。前節には首位の鹿島アントラーズが敗れており、数字上は勝点3差で追う6位のアビスパ福岡までに首位浮上の可能性がある。
実際に今節は、鹿島が第5節に柏レイソルに勝利して浮上して以来となる、約1か月ぶりの首位交代が起きるかもしれない。その前提として、まずは鹿島が勝利を逃す可能性を指摘しておきたい。
鹿島が敗れた前節で、気になることがある。チャヴリッチが脳震とうの疑いで途中交代を強いられたことだ。
チャヴリッチは前々節、昨季王者ヴィッセル神戸とのゲームで今季リーグ戦初先発を果たした。その試合では体の強さなど強みを出して存在感を示し、続く前節も先発していた。
それだけに、チャヴリッチ本人のコンディションと欠場の場合のチームへの影響が懸念される。 脳震とうではないと診断されても、起用には慎重にならざるを得ないだろう。
ただ、チャヴリッチが先発するようになったばかりであるということは、それまで他の選手が出場してチームに貢献してきたということだ。いわば選手層の厚さの見せどころであるのだが、その点で上回りそうなのが今節対戦する京都サンガF.C.なのだ。
開幕戦こそ初昇格のファジアーノ岡山に敗れた京都だが、その後は勝点を積み上げてきた。特に、ここ3試合は2勝1分と調子を上げているようにみえる。
また、その過程で注目したいのが選手起用だ。ここまでのリーグ戦で、京都は先発の顔ぶれを多く変えながら歩んできた。また、ほとんどの試合で選手交代枠を使い切り、チームとしての輪郭を大きくしている。
そうした道のりを経て、京都は昨季王者の神戸と引き分け、川崎フロンターレ、広島という、現在、上位を争うチームに勝利した。鬼木達監督が今季から指揮を執る鹿島に比べ、就任5年目のチョウ・キジェ監督率いる京都のほうが、チームを把握したうえでの用兵術でアドバンテージがあるはずだ。
このような要素はあるが、カシマスタジアムで未勝利の京都が、ホーム無敗記録を更新中の鹿島を打ち破るとまでは言い切れない。それでも、勝点1を持ち帰る可能性は十分にあるとみる。