
今回のtotoはJ1第7節の9試合と、J2第7節の4試合が対象となっている。過去のデータや直近の様子などから、分析を進めてみよう。
■負けていない「密度」
まだシーズン序盤ではあるが、例年とは違う景色が広がっている。これまでリーグをけん引してきたビッグクラブが、下位に沈んでいるのだ。
最下位に位置するのは、世界的企業に支えられる名古屋グランパス。国内屈指の人気を誇る浦和レッズは17位、ひとつ上の16位には、ACL出場で消化試合が1つ少ないとはいえ、昨季王者のヴィッセル神戸が鎮座する。
さらに1つ視線を上げると、15位にいるのは横浜F・マリノス。現在はイングランド・プレミアリーグのトットナムを率いるアンジェ・ポステコグルー監督の下で攻撃サッカーを展開し、川崎フロンターレとともにJ1タイトルを独占して一時代を築いたクラブだ。
前節にようやく今季J1初勝利を挙げた横浜FMだが、どうやら連勝は難しそうだ。立ちはだかるのはファジアーノ岡山と、その「無敗ホーム」だ。
クラブ史上初めてJ1を戦う岡山だが、6試合を戦って、2勝2分2敗で9位につけている。注目したいのは、2勝を含む勝点を稼いだ舞台が、すべてホームであることだ。
岡山のホームであるJFE晴れの国スタジアムは、入場可能数が1万5479人とされている。7万人超を収容する横浜FMのホームだけではなく、他のJ1クラブと比べててもかなりこじんまりとしたスタジアムだ。
だが、「密度」では負けていない。ここまでのホーム4試合で、平均観客数は1万3790人。ホームのファンがスタンドを埋めて選手たちを熱く後押しし、日本代表選手を擁する川崎と引き分け、昨季3位のガンバ大阪相手の勝利を記録したのだ。
さらに、横浜FMのこれまでの戦いぶりにも目を向けるべきだろう。今季ここまでのリーグ戦5試合のうち、アウェイゲームは1つだけ。ホームでは前節の今季初勝利や3引き分けで勝点を何とか重ねているが、今季J1ここまでで唯一のアウェイゲームである第2節のサンフレッチェ広島戦では、黒星がついた。
調子の上がらないチームが、まさに「敵地」と呼ぶべき場所へと乗り込む。ホーム岡山の勝利は、自然な流れだろう。