■プレミアリーグの選手が年俸以上に見せたいもの

 菅原にとって憧れとなるワールドカップだが、自身は、世界で最も高いレベルにあると言われるプレミアリーグで成長を続ける。サッカー選手にとって憧れの舞台の一つを日常としているのだ。だからこそ、感じるものがある。
「(プレミアリーグにいる選手は)もちろん試合に出なくても優雅に暮らしてはいけますけど、プレミアにいる選手はそれだけじゃないというか、本当にサッカー選手としての価値をピッチ上で残したい、もっとレベルの高い選手になりたい執着心がものすごい強い。
 僕自身のチームもそうですけど、対戦相手で途中から出てくる選手もそうだし、スタメンの選手もそうですけど、やっぱり試合にかける情熱だったりモチベーションは本当に凄まじいものを感じるし、試合の内容を見てもらえば分かると思いますけど、インテンシティもすごい高いし。そこにいられるからこそ感じられるものはたくさんあります」
 菅原は明るい性格でもチームを支え続け、たとえ試合に出られなくなっても全力でチームにために動き、そして、チャンスが来た時のために全力を尽くす。
 そんな菅原に、神様は“変化球”を投げ続ける。25日のサウジアラビア戦ではアジア最終予選で初めてとなる先発出場を果たしたが、想定外の5バックを敷いてきたことで、右SBを本職としながらも右WBで出場した菅原としては難しい戦い方を余儀なくされたのだ。後半17分に最初の交代でピッチを去ることとなったが、心中は悔しさであふれていただろう。
 チームでも代表でも違った難しさを抱えているが、菅原はそれを乗り越えて日本人に新たな景色をもたらすはず。背番号2の笑顔はきっと、次の笑顔を作り出すのだ。
(取材・文/中地拓也)
(その2へ続く)

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