■W杯の捉え方に
この苦しい環境は、望んだものではない。本当は勝利を重ねて、自身やチームの躍動を世界に発信したい。一方で、この困難を乗り越えればと力強く前を向こうとする。そうした状況について、こうも語る。
「言い方が正しいか分かんないですけど、望んで得られるような経験じゃない、というか、誰しもこの状況を望んでないというか、でもその中で僕たちが今いる状況っていうのは僕たちにしかできない経験だし、もちろんすごい難しい状況で日々の練習の中で、どういうメンタルだったりモチベーションを保っていくのかっていうところも含めて、僕自身本当に初めての時期を過ごしてますけど。
でもやっぱ選手として、チームの1人の選手として、勝つためにそこに向かってコミットしなきゃいけないと思ってるんで。本当に非常にいろんなことを学びながらやれてるなと思います」
難しい状況でもがき苦しむからこそ感じるものがある。菅原は、W杯という目標に向けても深い考え方を持っている。サッカー日本代表は8大会連続8度目のW杯出場を手にしているが、出場する環境はそれぞれ異なる。国や大陸によっての捉え方もあれば、それぞれの選手によっても見え方は違う。
「多分日本人が考えるワールドカップ優勝だったりワールドカップ出場の価値と、例えばブラジルだったり、アフリカでサッカーを始めてた選手たちのワールドカップっていうのは、多分相当な、どっちがいい悪いとかじゃなくてやっぱ考え方は違うとは思っていて。
僕ら(日本人)は比較的恵まれた環境で生まれ育って、サッカーをするにあたって何不自由ない環境で、近くに行けば芝生の公園があって、コーチがいて、友達がいて、綺麗なボールがあってっていう環境でサッカーができて、その中でテレビでも試合が見れてるわけですけど、視点を変えれば、違う環境で育って海外の選手たちがいるわけで、こういうアスファルトしかないところでボールでもないようなものをボールにしながらサッカーを始めた選手たちはもちろんいるわけで。
でも、そうやってスタート地点は違えど、結局みんな口にするのはワールドカップに出場したいだとか、ワールドカップで優勝したいってなるのは、それだけワールドカップの価値っていうものがサッカーをする選手たち全世界の選手にとって価値があるものだと思う」