■「ウォーミングアップのときに3バックだと分かった」

 田中は2022年カタールワールドカップ・アジア最終予選では、2敗して後がない状態で迎えたホーム・オーストラリア戦での先制点を決めると先発に定着。カタールワールドカップ本大会ではスペイン戦で「三笘の1ミリ」に詰めて決勝ゴールを奪った。
 しかし現在は遠藤、守田英正の2人が森保一監督のファーストチョイスとなっている。高い守備力とともにゴール前のスペースに飛び出していける点が、中盤の深い位置から試合を組みたてるパスを出せる田中よりも重宝されている。
 ただし、守田がいてもこのサウジアラビア戦に苦労したことは間違いがないだろう。その理由は、この試合の展開が日本にとって予想外だったからだ。
 試合は立ち上がりから日本が攻め、サウジアラビアが守るという構図のまま90分間続いた。これまでサウジアラビア戦では、相手がボールを保持し、日本がボール奪取からカウンターで攻め返すという構図が一般的だった。
 試合後、伊東純也は「(相手が)4バックで準備してきたが、ウォーミングアップのときに3バックだと分かった」と明かした。しかもサウジアラビアは3バックというより5バックで、残り30分まで前線からのチェイスもなく、しっかりとブロックを敷いて守りに徹した。

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