【森保ジャパン、848日ぶりの無得点。ボランチはなぜ生きなかったのか(1)】少なかった田中碧らのチャンスの演出。背景にあった、「ウォーミングアップのときに3バックだと分かった」の画像
スペースがない中でプレーしたサッカー日本代表の田中碧 撮影:中地拓也

 サッカー日本代表は3月25日、2026年アメリカ・カナダ・メキシコワールドカップ・アジア最終(3次)予選第8戦、ホームのサウジアラビア戦を0-0の引き分けで終えた。

 今回の予選で引き分けたのは2024年10月15日のオーストラリア戦(1-1)以来。そして日本代表が無得点だったのは2022年11月27日、カタールワールドカップ・グループリーグの第2戦、コスタリカ戦に負けて以来848日ぶりとなった。
 ワールドカップ本大会出場を決めたバーレーン戦の先発からは6人が変更された。もっとも日本代表としての経験が少ないのは、この試合で2つ目の代表キャップを手に入れた高井幸大だけ。他は常連で、コンビネーションが合わないとは言えない選手たちばかりだった。
 特に目立ったのはボランチがなかなか有効なパスを供給できなかったこと。パス交換には顔を出すのだが、その先が続かない。グラウンダーもロブのパスも状況を打開する場面は少なかった。
 本来なら、遠藤航田中碧、そして73分に遠藤と交代してピッチに立った旗手怜央はもっと縦にパスを供給できる選手のはずだ。特に田中は鋭い長短のパスを相手の陣に「差し込める」選手のはず。確かにパスは供給する場面もあったが、チャンスの演出は少なかった。

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