■インパクトプレーヤーの登場が求められる
増田功作監督が昨年4月から指揮を執る徳島は、昨シーズン終盤に4連勝を含む5戦負けなしを記録して8位でフィニッシュした。今シーズンはMF岩尾憲、MF永木亮太、新外国人FWトニー・アンデルソンらが戦線離脱しているなかで、開幕2連勝を飾っている。昨シーズン終盤の好調を持ち込んでいる印象で、1トップの渡大生と2シャドーの杉本太郎&ジョアン・ビクトルがコンビネーションを発揮している。このトライアングルが、攻撃の出力を大きくしているのだ。新外国人のジョアン・ビクトルは2試合連続ゴールである。
彼らに代わる交代カードも、質が高い。MF杉森考起、FWルーカス・バルセロスが2試合連続で後半途中からピッチに立ち、インパクトプレーヤーとして相手守備陣を翻弄している。ルーカス・バルセロスはスピードとパワーを兼ね備えており、「個」で局面を打開できる。交代カードとして力強い。
今節、北海道コンサドーレ札幌を3対0で退けたロアッソ熊本は、2対0で迎えた最終盤に途中出場の選手がダメ押し弾を決めた。レノファ山口FCと2対2で引分けたV・ファーレン長崎では、90+3分に途中出場の増山朝陽が同点弾を蹴り込んでいる。勝点をつかむチームは、交代カードとなる選手が結果を残すものだ。
ひるがえって仙台である。この日はMF武田英寿が後半途中から投入され、攻撃に変化を加えた。後半開始から出場した荒木も、終盤に決定的なヘッドを放っている。
ただ、上位に食い込んでいくためには、途中出場からより強いインパクトを記す選手が求められる。まだ2試合を消化しただけであり、何かを言い切るのは早いが、徳島と仙台では交代カードの力強さに違いがある。
CBマテウス・モラエスらを投入する逃げ切りのパターンは、すでに確立されている、それだけに、仙台は攻撃のギアを上げるカードを持ちたいのだ。