■昨年の守備との違いは

 24年シーズンのG大阪が強固な守備が売りだった。それを支えたのが、前線の選手の守備。
「昨年は最終ラインの選手が余裕を持った守備ができていましたが、それを支えていたのが、前線の選手の守備。守り方の仕組みだけではなくて、ウェルトンやこの試合でも先発した山下諒也がプレスバックで戻ってきて、人数的にカバーしていた場面もありました。
 そこが開幕戦では去年と違うように見えました。ここからどう修正していくのか。最終ラインが昨年のように余裕を持って守備できる体制を作りたいはずで、“昨年と同じメンバーに戻せば”という声もあるかもしれませんが、そうするとダワンのポジションに今回の試合のようにネタ・ラヴィというタイプの違う選手が入ってくることになる。そのため、前線の選手も含めて、監督は昨年とは違った仕組みを模索しているはずです」
 一方で、高卒ルーキーながら堂々の先発を果たした名和田我空は攻撃面ではポジティブだった。
「チャンスの場面もありましたし、ややムリな態勢ながらもシュートを打ちにいった場面もあった。シュートが打てるということはいい場所に入っていけている証拠です。今後、守備戦術をさらに理解していけば、もっと大きな可能性を見せるはずです」
 二階堂氏はさらに15日、16日の試合についても語る――。
(語り:二階堂悠)
(後編へ続く)

【にかいどう・ゆう】
1984年5月17日生まれ。宮城県出身。筑波大学大学院卒業後にメキシコ留学を経て、杭州緑城(中国)のコーチに就任。2014年からモンテディオ山形のコーチ、2017年から川崎フロンターレのコーチを務めた。川崎ではクラブの国内7冠達成に寄与し、24年シーズンを持って同職を退任した。

(2)へ続く
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