■34年ぶりの「イタリア戦」

 2015年の5月28日に、長野市の南長野運動公園総合球技場で日本女子代表(なでしこジャパン)対イタリア女子代表の親善試合(キリンチャレンジカップ)が行われたのです。

 日本サッカー協会が公認している女子代表の公式国際試合(Aマッチ)の最初の試合は、1981年6月に香港で行われた第4回アジア女子選手権の初戦、台湾(チャイニーズタイペイ)戦でした。当時の強豪、清水第八の本田美登里さんや木岡二葉さん、半田悦子さんなどがいたチームですが、初戦は台湾、タイ、インドネシア相手に1勝1分1敗の成績でした。

 そして、国内初の女子のAマッチは同年9月に神戸で行われたイングランド戦(0対4の敗戦)。東京での初めてのAマッチは9月9日のイタリア戦で、なんと0対9という大敗を喫してしまいました。

 誕生したばかりの日本の女子サッカーは、そんな状態だったのです。その後、急速に力をつけて、30年後の2011年にワールドカップを制することになろうとは、当時は誰も想像すらしていませんでした。

 僕は、その東京での初めての国際試合となった西が丘(現、味の素フィールド西が丘)でのイタリア戦を観戦していました。

 ですから、34年ぶりのイタリア戦に興味が沸いたのです。

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