■カピシャーバの献身性もプラス

 清水にとってポジティブなのは、カピシャーバが守備面でも献身的であるということだ。セレッソ時代には小菊昭雄監督(現・サガン鳥栖)が継続的にスタメンで起用していたが、攻撃面の貢献だけでなく、守備でもサボらないという信頼があったからだろう。3年ぶりのJ1となる清水にとって、誰一人として守備が緩まないことは生命線になってくる。それはカピシャーバや前線で爆発が期待されるFWのドウグラス・タンキにも言えることだ。
 苦しい守備の時間をしっかりと耐えながら、自分たちの良い時間帯に、いかに効率よく得点を奪いに行くか。その戦いを進めていくにあたり、バランス感覚と両足の展開力を併せ持つ山原と縦に突破できるカピシャーバのコンビが、どう切り開いていくのか。もちろん清水には俊英の松崎快や18歳のドリブラー西原源樹、攻守にハードワークできる北爪健吾、サイドの仕事人である吉田豊など揃うが、右の高木と中原、左の山原とカピシャーバという左右のセットはJ1を戦う強みになっていきそうだ。
(取材・文/河治良幸)

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