■次のシーズンに「必要なもの」

 試合数自体も問題になるが、最も重要なのは7月13日に予定されているクラブ・ワールドカップ決勝まで戦ったクラブの選手は十分にシーズンオフを取れなくなってしまうという事実だ。

 試合数が多く疲労が溜まっていたとしても、オフさえ取れればそれを乗り切ることはできるだろう。だが、その疲労を癒し、次のシーズンに向かうためにはオフが必要なのだ。

 ヨーロッパの場合、7月末から8月にかけて新シーズンが開幕する。2026年にはワールドカップが控えていることもあって、通常のシーズンより開幕が早めに設定される国も多いはずだ。

 従って、遅くとも7月に入れば、新シーズンに向けてのキャンプが順次始まる。そして、キャンプで仕上げて、プレシーズンマッチを戦って新シーズンに備えるのだ。

 だが、7月13日までクラブ・ワールドカップを戦ったのでは、オフ期間をいくら短くしても始動が遅れてしまうことは間違いない。

 従って、クラブ・ワールドカップで勝ち抜いて、準々決勝以降まで戦ったチームはオフが短くなり、準備不足のまま新シーズンに突入せざるをえない。そして、オフが十分に取れず、疲労が蓄積したまま始動した場合、選手が故障する確率も高くなる。

 2024年にEUROを戦い、2025年にクラブ・ワールドカップ。2026年にFIFAワールドカップを戦ったりしたら、3年連続でしっかりとオフが取れなくなる。それでは、選手生命にも影響を及ぼしかねない。(2)に続く。

(2)へ続く
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