■外資系ブランド店でも「ラジオ体操」
韓国という国は、今は立派な近代国家です。
最近の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の「非常戒厳」宣布以来の政治的大混乱を見ると、「本当に近代国家?」と疑問に思えてくることもありますが、経済的に韓国は、先進国の一つになっています(国民1人当たりのGDPは、今では日本を越えています)。
しかし、韓国が経済発展を始めたのは1960年代からのこと。朴正熙(パク・チョンヒ)大統領の軍事独裁政権の下、アメリカや日本からの資金を使って新興財閥を中心に経済開発を進めたのです。
つまり、わずか半世紀あまりの間に急速に発展した国です。ですから、世代によって価値観も暮らし方も大きく異なっているのです。
僕が韓国によく通っていたのは2002年ワールドカップの前後、つまり20年から30年前のことです。その頃、若者たちはすでに近代的な服装をして、近代的な暮らしをしていましたが、年配者は見るからにオジサンっぽい雰囲気でした。ソウルのお洒落な外資系のブティックでも、店員たちがラジオ体操をしていました。