後藤健生の「蹴球放浪記」第247回「韓国人は昔から大食漢だった」の巻(1)元代表監督が突然の「強烈キック」、ヨボヨボ老人を「侮るなかれ」の画像
W杯招致合戦最終盤の1996年頃には何度も訪韓。蚕室で行われた「誘致記念」の韓国代表対ユベントス戦入場券。提供/後藤健生

 サッカー日本代表の長年のライバル、韓国代表。つい数年前まで、日本の前に「高い壁」として立ちはだかり続けた。そんな彼らのストロングポイントのひとつといえば、屈強なフィジカルだろう。その肉体をキープするためか、「韓国人は大食漢が多い」と断言するのは、サッカー観戦で数えきれないほど隣国を訪れている蹴球放浪家。韓国代表の強さの秘密かもしれない(?)、その「大食漢ぶり」を、後藤健生が現地からリポートする!

■何かあれば宴会を開いて「数人分」

 最近、『朝鮮民衆の社会史——現代韓国の源流を探る』(趙景達著、岩波新書)という本を読みました。

 民衆……。支配者でもある「両班(ヤンバン)」と呼ばれる郷紳階級から奴婢、賤民を含む民衆が主人公のはなはだ地味な本ですが、丹念に資料を考証して丁寧に論述した、なかなか面白い本でした。

 その中で、「朝鮮の民衆は大食漢だった」ということが紹介されていました(同書30ページ)。

 かつて朝鮮を訪れた西洋人の宣教師も、あるいは20世紀に朝鮮を植民地支配した日本人支配者も、口をそろえて、そのように書いているそうです。何かあれば宴会を開き、1人で数人分を平らげてしまうというのです。

「ああ」

 僕は、しょっちゅう韓国を訪れていた頃のことを思い出して、納得しました。

  1. 1
  2. 2
  3. 3