■2列目アタッカーは豊富な陣容
ただ、それだけでFIFAクラブワールドカップ(W杯)と天皇杯が加わる2025年の過密日程を乗り切るのは難しい。さらなるFWの補強も必要だろうし、複数クラブとの争奪戦を経て加入が本決まりになりつつあるマテウス・サヴィオ(柏)を最前線で使うプランも視野に入れるべきなのかもしれない。サヴィオは柏では左サイドを主戦場にしていたが、フリーマン的に幅広いエリアを動いて攻守両面に関与していた。そういう意味ではトップでもやれるだろう。
浦和の2列目アタッカー陣には原口、関根貴大、渡邉凌磨、中島翔哉、前田直輝、二田理央らがいるし、負傷離脱中の松尾佑介、大久保智明もいずれ戻ってくる。そこに金子拓郎(コルトレイク)の獲得も有力視されるため、サヴィオをここで使うのはやはりもったいない。もちろん松尾や二田のトップ起用もありえるが、指揮官は果たしてどのような選択をするのか。どういう組み合わせで戦うつもりなのか。1月の新シーズン始動後のアクションが注目されるところだ。
いずれにしても、タイトル奪還を目指すなら、2ケタゴールを取れる選手が3人くらいはいなければ難しい。ヴィッセル神戸の大迫勇也と武藤嘉紀、宮代大聖のような主軸得点源を作れるか否か。そこが浦和の成否を大きく左右すると見ていい。
(取材・文/元川悦子)
(後編へつづく)