■ジャーメイン良が加入で得点力に期待

 実際、24年を振り返っても、湘南から加入した大橋祐紀(ブラックバーン)が開幕から凄まじいゴールラッシュを見せ、半シーズンで11得点を挙げたが、彼が7月にチームを去った途端、得点力が低下した。
「エディオンピースウイング広島がオープンした記念すべき2024年に是が非でもタイトルを取りたい」とクラブ側も大型投資を断行。トルガイ・アルスランとゴンサロ・パシエンシアの獲得に踏み切った。が、彼らがフィットするまでのタイムラグがあったうえ、不慣れな日本でコンスタントな活躍というのはややハードルが高かったのかもしれない。
「大橋がいなくなって得点力が低下した。その穴は埋め切れていない」とスキッベ監督は浦和戦後に嘆いたが、それが11引き分けの要因になったのは否めないだろう。
 それでも、広島の総得点はリーグ最多の72。これは昨季の42から大幅に増えている。内訳を見ると、加藤陸次樹が9点、アルスランとピエロス・ソティリウが8点、シーズン途中に加入した新井直人が6点、今季の成長株・中野就斗が5点と幅広いプレーヤーが得点源となっていることは前向きな要素と言っていい。ソティリウは昨季限りで退団するものの、25年シーズンは昨季J1日本人得点王(19点)のジャーメイン良(磐田)の加入が発表されており、リーグ最高得点水準は保てそうだ。

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