■清水の得点力を高めた前線4人の組み合わせ
ただ、清水で興味深いのは愛媛、秋田と同じくアウェーで敗れたレノファ山口も含めた6月の3敗を除くと、残りの5敗は2位の横浜を含むプレーオフ圏内のチームであり、中下位には確実に勝ち点3を積み重ねたことが目に付く。
上位対決をまとめると、清水は山形に2敗、横浜、長崎と1敗1分、仙台には1勝1敗、岡山には2勝という結果で、3勝2分5敗となる。逆に7位以下のチームに対しては23勝2分3敗という圧倒的な数字だ。4−0で大勝した第15節の鹿児島ユナイテッド戦のように、立ち上がりから攻撃がハマった時の爆発力は非常に高い一方で、第29節の徳島ヴォルティス戦のように、終盤まで相手にリードを許しながら、ドウグラス・タンキの連続ゴールで逆転勝利した試合もある。
ただ、8試合の敗戦のうち、6試合が2点最上の敗戦であり、時に脆さを見せてしまったことは秋葉忠宏監督が3年目となるJ1の戦いに向けては課題の1つとして捉えるべきかもしれない。
チームの戦い方を振り返ると、乾貴士がピッチにいる時は4ー2ー3ー1、いない時は4ー4ー2か3ー4ー2ー1であることが多く、前者はある意味で”乾システム”とも言える。独力で違いを作り出せる乾を中心に、12得点を記録した1トップの北川航也、そしてカルリーニョス・ジュニオとルーカス・ブラガという両翼が揃った布陣が、今シーズンの清水における最強スカッドであり、得点率も高い。
その一方で、大型FWのドウグラス・タンキが勝負のカードとして投入することで、前線のパワーを加えるというのも相手ディフェンスには脅威となった。