■自殺行為に「等しい」愚行
日本ではほとんど報道されていないが、「旧形式のFCWC」は今年から新名称の下で行われている。「FIFAインターコンチネンタルカップ」は、6地域連盟のチャンピオンクラブが出場し、1回戦はアジア×オセアニア、その勝者が2回戦でアフリカのチャンピオンと対戦、もうひとつの2回戦(南米×北中米カリブ海)の勝者と「プレーオフ(準決勝)を戦い、その勝者が決勝戦で欧州チャンピオンのレアル・マドリードに挑戦するという、かなりゆがんだ形ではあるが…。
南米代表(ボタフォゴ)がからむ2回戦と、プレーオフ、決勝は12月にカタールのドーハで開催されるが、他の2試合は9月と10月にすでに終わっており、エジプトのアルアハリがプレーオフ進出を決めた。まことに「ご都合主義」的な大会だが、現状の日程のなかでは、クラブの世界チャンピオンを決める大会をするとすれば、これぐらいが精いっぱいと言ってよい。
6月から7月にかけ、欧州の12クラブを含む32クラブを出場させて行う「新しいFCWC」には、どう考えても無理がある。これを強行することで世界のトップレベルにある選手たちを「4年に1度」しか休めない状況にしてしまうのは、サッカーにとって「自殺行為」に等しい。こんな愚行を許しておいてはいけない。