2025年6月に、FIFAクラブワールドカップが開催される。新方式となる大会には、日本から出場する浦和レッズを含め、世界中から数多くの強豪クラブが参戦する。世界のトップスターが火花を散らす手に汗握る大会となることは間違いないが、その一方で、選手たちの選手生命を脅かす危険性もあるという。サッカージャーナリスト大住良之が警鐘を鳴らす!
■選手を「消費する」大会
「ワールドカップのプレ大会」としては、2019年まで代表チームによる「FIFAコンフェデレーションズカップ」が開催されていた。しかし、出場は8チームで、大会期間は2週間程度だった。新たなFIFAクラブワールドカップ(以降、FCWC)は32クラブが出場し、1か月間の大会となる。その違いは大きい。
サッカーは数あるスポーツのなかでも世界で最多の競技者とファンを持ち、今や巨大な「産業」と言っていい。そして、その最大の財産が「選手」であるのは間違いない。選手が夢のようなプレーを披露することで、現代のこの産業は成り立っているからだ。その選手たちを「消費」し尽くしてしまうのが、FCWCなのである。