「賛否両論ある」大躍進の堅守速攻チームだけじゃない、「リーグ最多72ゴール」の攻撃陣を空回りさせた強力守備のチーム【2025シーズン「J1リーグ2強を破る」最有力候補を探せ】(1)の画像
最終節でのサンフレッチェ広島相手の完勝は、ガンバ大阪の可能性を示した。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 2024年のJ1リーグが終わった。最終節までサンフレッチェ広島と争った末、ヴィッセル神戸が連覇を果たした。来シーズン、この「2強」に対抗できるチームは、どこなのか。サッカージャーナリスト後藤健生は、最終節での戦いから、あるチームに可能性を見出している。

■優勝を狙えるクラブに進化した「町田」

 最終節まで優勝争いがもつれた2024年度のJ1リーグだったが、終わってみれば最終節を前に首位に立っていたヴィッセル神戸が湘南ベルマーレに快勝し、勝点1差で追っていた2位サンフレッチェ広島はガンバ大阪に完敗。神戸が勝点差を4ポイントまで広げて、逃げ切って優勝を決めた。

 神戸はこれでJ1リーグ2連覇。そして、2024年度は天皇杯全日本選手権と合わせて2冠を達成することになり、現在の日本の最強チームであることを証明した。

 一方、準優勝に終わった広島も2022年と23年の3位に続いて3年連続でJ1リーグ3位以内と安定した結果を残しており、神戸と広島が現在の「2強」であることは間違いない。これまで、長く東日本のチームが牽引してきたJ1リーグだが、今は「西高東低」の趨勢(流れ)に転じたことは明らかだ。

 では、この「2強」を追うチームはどこなのか?

 もちろん、J1初昇格でリーグ戦中盤までは首位を走っていたFC町田ゼルビアも有力な候補であることは間違いない。

「堅守速攻」。そして、ロングスローやセットプレーを駆使した攻撃に特化した、勝ちにこだわった独特のスタイルには賛否両論あるが、2024年のシーズン中にも次々と日本代表級を獲得。さらに韓国代表やオーストラリア代表のCFまで揃えているのだ。クラブの資金力を考えれば、来シーズン開幕までにさらに大型契約があるのかもしれない。

 従って、町田は純粋に戦力だけを考えてもJ1優勝を狙えるクラブに進化したと言ってもいい。

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