■G大阪のプレスに「パスを回せない」

 その後は、広島がボールを握って攻め込み、G大阪が守りながらカウンターを仕掛ける展開が続くことになったが、ここでG大阪が持ち前の守備力を存分に発揮する。

 高い位置からのG大阪のプレスの強度が高く、広島はうまくパスを回せなくなってしまったのだ。

 広島は、今シーズンのJ1リーグ最多の72得点を決めた非常に攻撃力のあるチームだ。速いテンポでパスを回しながら、後方から選手が次々と湧き出してくる。そこに正確なパスを通して得点を狙うというのが組織的な広島の攻撃だ。

 72ゴールを記録した広島だが、得点王争いでは9ゴールの加藤陸次樹が最高だ(以下、8ゴールのトルガイ・アルスラン、ピエロス・ソリティウと続く)。もちろん、夏にブラックバーンに移籍した大橋祐紀がそのままプレーしていれば、得点王争いで上位に顔を出したことだろうが、1人の選手に偏ることなく、多くの選手が得点に絡んでいるのが広島の特徴だ。

 しかし、G大阪戦では相手の強力な守備の前に攻撃が空回りしてしまった。

(2)へ続く
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