■Cスタには圧倒的なホームの空気感があった
2つ目のポイントは「舞台」だ。
この試合は岡山のホーム・シティライトスタジアム、通称「Cスタ」で開催された。4日に発売された試合のチケットは、その日のうちに完売した。
仙台のサポーターもバックスタンドの一角に1200人あまりが詰めかけ、メインスタンドとゴール裏の一部にもベガルタゴールドのユニホームが集まった。彼らの声量は準決勝に続いてかなりのものだったが、スタジアム全体が岡山のファン・サポーターの空気に包まれたのは事実だった。
岡山が仙台のゴールへ迫ったり、シュートを放ったりする場面だけでなく、ボール際のバトルを制することでも歓声が上がる。一つひとつのプレーが、拍手と歓声を呼ぶ。岡山の選手たちには、力強く逞しい後押しがあった。
今シーズンの岡山は、ホームで11勝4分4敗の成績を残していた。ホームで獲得した勝点は「40」で、これは首位の清水エスパルス、2位の横浜FC、3位のV・ファーレン長崎、7位のジェフユナイテッド千葉に次いでリーグで5番目の数字だ。
ホームゲーム19試合の失点は「10」で、こちらはリーグ最少である。19試合のうち実に12試合で、クリーンシートを記録している。
さらに、先取点を取った試合では17戦無敗を誇った。前半を1対0で折り返した場合も、8戦無敗だった。岡山のホームで行なわれた仙台との一戦も、2対0で勝利している。
ホームの力強い後押しを受けた岡山は、この日もデータどおりに勝利をつかんだのである。