■過去2年の悔しさを乗り越えプレーオフ決勝へ
あとひとつまで、こぎつけた。
ベガルタ仙台が、4シーズンぶりのJ1復帰へあと1勝に迫っている。12月7日のJ1昇格プレーオフ決勝(13時5分キックオフ、会場は岡山県のシティライトスタジアム)でファジアーノ岡山を下せば、国内最上位のカテゴリーへ戻ることができる。
2022年のJ2降格後は、悔しさを何度も噛み締めてきた。
22年は前年11月から指揮を執る原崎政人監督のもとで、前半戦を2位で折り返した。ところが、8月に4連敗を喫して原崎監督が更迭となり、直前までJ1ジュビロ磐田を率いていた伊藤彰監督にチームを託す。しかし、その後も2勝2分4敗と状況は改善されない。最終節に勝利すればJ1昇格プレーオフ進出の可能性もあったが、引分けに終わって7位でシーズンを終えた。
翌23年は伊藤監督が続投した。GK林彰洋、DF菅田真啓、DF小出悠太、MF郷家友太、MFエヴェルトンらを補強したが、序盤から勝点獲得に苦しむ。15節から19節まで5戦負けなし(4勝1分)と浮上のきっかけをつかんだかに見えたが、20節からリーグ戦6試合勝利なしと再び低迷してしまう。26節からは伊藤監督を更迭して堀孝史コーチを昇格させるが、新監督就任後も4勝4分9敗と黒星が大きく先行し、最終的に12勝12分18敗の16位でシーズンを終えた。J2ではクラブワーストの成績だった。シーズン中の監督交代は3年連続と、混迷が深まるばかりだった。
このまま、J2の沼にハマってしまうのか。
もうあとがないチームを託されたのが、森山佳郎監督だった。新監督は22年に59失点、23年に61失点を喫した守備の立て直しから着手し、攻撃陣は組合せを探りながら試合を消化していった。中盤の大黒柱だったMF長澤和輝が夏の移籍市場でチームを離れ、DF高田椋汰、DF石尾陸登の離脱もありながら、J1昇格プレーオフ圏にしぶとく食らいついていった。
J2優勝の清水と1勝1敗、2位の横浜FCには2勝、3位のV・ファーレン長崎と4位のモンテディオ山形には1勝1分と、上位陣から勝点を獲得したことが、最終節でのJ1昇格プレーオフ出場決定につながった。ただし、7日に激突する岡山には、ホームで1対4、アウェイで0対2とシーズンダブルを喫している。