■武藤嘉紀による厳しい言葉
しかしながら、今季は大迫が35試合出場11ゴール、宮代大聖が31試合出場10点という数字を残す中、武藤は36試合出場12ゴールと目下チーム得点トップ。しかも11月23日の天皇杯決勝でもガンバ相手に宮代の決勝弾をアシストしていて「チームを勝たせるダイレクトな仕事をしている選手」という印象が非常に強いのだ。
神戸には、守護神・前川黛也、DFのマテウス・トゥーレルと山川哲史、アンカー・扇原貴宏のようにリーグ30試合以上に出ている主力はいるものの、インパクトという部分では武藤にやや劣る。そう考えると、32歳の円熟期を迎えたアタッカーが受賞するのがベストではないか。
キャラクター的にも今季の武藤はビッグタイトルに相応しい立ち振る舞いを見せている。それを色濃く感じさせたのが、柏戦後の取材対応だ。
「本当に大きい勝ち点1だったし、なかったと思うと本当にぞっとするので、嬉しく思いますけど、やっぱり甘さが出ている。一番大事な試合で試合に入り切れていない選手っていうのがいましたし、そういうのはホントに必要ないって何度も言ってますけど、チームとして戦うことは絶対にブラしちゃいけない。
立ち上がりからの失点、球際で勝てない、反応が遅い、気の緩み…。難しい試合になると分かっていたにも関わら、ああいう入りをしてしまったこと自体がやっぱり間違い。僕らは仲良しグループでやってるわけじゃないんでね」と彼は厳しい言葉を次々と吐き出したのだ。