■リーダーの風格

 それこそが視座の高さの証明ではないか。「自分たちは王者なのだから、本来なら柏戦で優勝を決めるべき」という思いがあるからこそ、不甲斐ない試合運びに対しての苦言が真っ先に飛び出したのだろう。
 武藤はもともと自分にもチームにも厳しい人間だが、それをより鮮明にしている点を見ても、リーダーの風格が見て取れる。そういう時であるがゆえに、彼がMVPに最も近い存在と言っても過言ではないのだ。
 その通りに物事が進むかどうかは最終節次第。神戸が柏戦で犯したミスをいい教訓にして、確実に勝ち切れれば、シナリオ通りの結末になるはず。その動向が今から大いに注目されるところだ。
(取材・文/元川悦子)
(後編へつづく)

(2)へ続く
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